【産廃業許可】変更申請とは? どのようなときに必要な手続き? 申請するにはどうすればいい?
産廃業の申請には新規の許可申請の他にも、更新申請や変更申請などがあります。
更新申請や変更申請は、新規の許可申請とは異なり、許可を受けたあとに行う手続です。
更新申請は、許可の有効期間前に産廃業を継続するために行う手続きのことをいいます。
では変更申請とはどのようなものなのでしょうか? また変更申請はどのようなときに必要で、手続はどのように行えばいいのでしょうか?
この記事では、産廃業の変更申請とはどのような手続きなのか、またどのようなときに必要なのかなどについて解説させていただきます。
産廃業の変更申請とは?
産廃業の変更申請は、正式には「変更許可申請」といいます。許可申請の種類の一つにあたります。そのため変更申請はかなり厳格に審査されることになります。
また産廃業の手続には似たような名称の「変更届」というものもあります。こちらは届出なので、変更申請よりも簡易な手続きとなっています。
では変更申請はどのようなときに行う必要があるのでしょうか?
次に説明します。
変更申請はどのようなときに必要?
変更申請が必要になるのは、「事業の範囲」に変更があったときです。
具体的には次のような場合に変更申請が必要になります。
変更申請が必要になる場合
- 収集運搬業または処分業で、取り扱う産業廃棄物の種類を増やす場合
- 収集運搬業で、石綿含有産業廃棄物、水銀仕様製品産業廃棄物および水銀含有ばいじん等の取扱を無から有に変更する場合
- 収集運搬業で、「積替え保管を除く」許可から「積替え保管を含む」許可に変更する場合
- 処分業で、処分の方法を変更または追加する場合
上記のように「事業の範囲」が変更されるときに変更申請を行わなければなりません。
一つ気をつけたいのは、取り扱う産業廃棄物の種類を「増やす」場合は変更申請になりますが、種類を「減らす」場合は変更届になる点です。
変更申請は「事業の範囲」を「拡大」するときに必要な手続きであると覚えておくといいでしょう。
変更申請の手続の流れ
変更申請の許可証を交付されるまでの流れは次のようになります。
- ①講習会の受講
- 変更申請の前に講習会を修了している必要があります
必ず受講するようにしましょう
- ②申請書の作成
- 必要書類を収集し、作成します
- ③申請日時の予約
- 申請をする日時の予約をします
1~2ヶ月以上先になることもあるため、余裕を持って予約するようにしましょう
- ④申請
- 申請書の形式審査のあと、申請手数料を納付します
- ⑤審査
- 申請書が受理されると審査期間に入ります
審査期間はは約60日です(土日祝日、年末年始は含まれません)
- ⑥許可証の交付
- 許可が下りると許可証を交付されます
(不許可の場合は、不許可決定通知が送付されます)
変更申請の許可証の交付までの流れは上記のようになります。
講習会を受講する必要があったり、申請の予約や審査期間などが長くかかる場合もあるので、許可証を交付されるまでの計画は余裕を持って立てておくといいでしょう。
変更申請の必要書類
変更申請に必要な書類は次のとおりです。
(※個人申請のみに必要な書類には(個人)、法人申請にのみ必要な書類は(法人)と記載してます)
変更申請の必要書類
- 変更許可申請書
- 変更事項確認書・新旧役員等対照表
- 事業計画の概要
- 運搬車両の写真(カラー)
- 運搬容器等の写真(カラー)
- 事業の開始に要する資金の総額およびその資金の調達方法
- 資産に関する調書(個人)
- 誓約書
- 最新の定款の写し(法人)
- 法人の登記事項証明書(法人)
- 住民票抄本
- 成年被後見人等に該当しない旨の登記事項証明書等
- 政令使用人に関する証明書(当該使用人がいる場合)
- 申請者の許可証の写し
- 貸借対照表(直近3年分)(法人)
- 損益計算書(直近3年分)(法人)
- 株主資本等変動計算書(直近3年分)(法人)
- 個別注記表(直近3年分)(法人)
- 法人税の納税証明書「その1 納税額等証明用」(直近3年分)(法人)
- 所得税の納税証明書「その1 納税額等証明用」(直近3年分)(個人)
- 経理的基礎を有することの説明書および記載者の資格証明書、または返済不要な負債の額およびその負債が返済不要であることが分かる書類(任意書式)
- 講習会修了証の写し
- 自動車検査証および自動車検査証記載事項の写し(使用する全車両)
変更申請は許可申請であるため、厳格に審査されます。そのため必要書類の種類も多くなっています。
書類の不備などで不許可にならないように、しっかりと準備するようにしましょう。
変更申請の手数料
最後に変更申請の手数料を見ていきましょう。
変更申請の手数料は、産業廃棄物に関する収集運搬業の変更の場合は71,000円、特別管理産業廃棄物に関する収集運搬業の変更の場合は72,000円となっています。
※ちなみ上記の手数料は東京都で変更申請をするときの手数料になります。東京都以外で変更申請をする場合はそれぞれの行政庁で確認をしてください。
まとめ
産廃業の変更申請について解説させていただきました。疑問は解消されたでしょうか?
変更申請が必要になる場合や、変更申請をするときに必要になる書類、また許可証を交付されるまでの流れなどをご理解いただけたかと思います。
この記事に書かれていること以外で、産廃業の変更申請について疑問などがあれば、管轄の行政庁や産廃業許可を専門にしている行政書士に相談することをおすすめします。