【産廃業許可】欠格要件(欠格事由)とは? 該当するとどうなる?

産廃業の許可申請をするとき、財政能力の要件を満たしている必要があったり、物的要件として「車両」や「容器」等の運搬施設などを備えている必要があります。

それらの要件のなかに欠格要件というものがあります。この欠格要件は産廃業の許可申請をするときにとても大事な要件です。

では産廃業の欠格要件とはどのようなものなのでしょうか? また欠格要件に該当するとどうなるのでしょうか?

この記事では、産廃業許可申請の欠格要件について、また該当するとどうなるのか解説させていただきます。

産廃業許可の欠格要件(欠格事由)とは?

まず欠格要件とはどのようなものなのか見ていきましょう。

産廃業許可申請の欠格要件は廃棄物処理法で定められています。その法律で定められている要件に該当すると産廃業許可申請をすることができません。

そのため申請前に欠格要件に該当していないか確認することが重要になります。

では欠格要件の対象者は誰なのでしょうか?

産廃業許可の欠格要件の対象者

欠格要件の対象者は次のとおりです。

欠格要件の対象者

  • 申請者
  • 役員等
  • 5%以上の株主
  • 政令使用人

上記の対象者のうち、役員等と5%以上の株主は申請者が法人の場合の対象者で、政令使用人は個人と法人のどちらの場合でも対象者となります。

産廃業許可の欠格要件

欠格要件の対象者が分かったところで、具体的な内容を見ていきましょう。

欠格要件は前述したように廃棄物処理法で定められています。そのため条文が理解しづらい部分があります。

この記事では、できるだけ分かりやすくするために簡略化して記載してますのでご了承ください。

廃棄物処理法第7条第5項第4号の欠格要件

  • 心身の故障によりその業務を適切におkなうことができない者として環境省令で定めるもの
  • 破産手続の開始の決定を受けて復権を得ない者
  • 禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  • 暴力団員として不当な行為や暴力行為などの罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  • 許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
  • 許可の取消しの処分に係る通知があった日から当該処分をする日または処分をしないことを決定する日までの間に、事業の全部の廃止の届出をした者で、届出の日から5年を経過しないもの
  • ⑥の通知の日前60日以内に当該届出に係る法人の役員もしくは政令で定める使用人、個人の政令で定める使用人であった者で、その届出の日から5年を経過しないもの
  • その業務に関し不正または不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
  • 暴力団員等がその事業活動を支配する者

簡略化して記載しましたが、まだ分かりにくいかもしれません。ざっくりというと過去に犯罪を犯して一定の期間を経過していない者や過去に産廃業の許可を取消されて一定の期間を経過していない者、そして暴力団員等が欠格用けんとなります。

また繰り返しになりますが、上記の①~⑨の事項にどれか一つでも該当していると産廃業許可申請をすることができません。申請をするときは対象者が欠格要件に該当していないか、しっかりと確認するようにしましょう。

では、もし仮に許可後に欠格要件に該当していたことが判明した場合はどうなるのでしょうか?

次でせつめいします。

許可後に欠格要件に該当していたことが判明するとどうなる?

産廃業の申請をして許可が下りたあとに、「申請時点」で対象者が欠格要件に該当していたことが判明すると、許可が取り消されることになります。せっかく書類を作成し、さまざまな要件をクリアしても、それらがすべて無駄になってしまいます。それだけ欠格要件は、産廃業許可申請においてとても大事な要件であるといえます。

また「申請時点」ではなく「申請後(許可後)」に欠格要件に該当してしまった場合は、速やかに届出をすることで対応できます。例えば、対象者が何かしらの罪を犯してしまったような場合です。

そのときは、欠格要件に該当するに至った日から2週間以内に届出をするようにしましょう。これを怠った場合、6カ月以内の懲役または50万円以下の罰金に処せられることがあるからです。くれぐれもそのようなことにならないようお気をつけください。

まとめ

産廃業許可申請の欠格要件について、また該当する場合はどうなるのか解説させていただきました。疑問は解消されたでしょうか?

産廃業許可申請において欠格要件というものがとても大事な要件であることや、また欠格要件の対象者や内容などをご理解いただけたかと思います。

この記事に書かれていること以外で、産廃業許可申請の欠格要件について疑問などがある方は、管轄の行政庁や産廃業許可を専門にしている行政書士に相談することをおすすめします。

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